北朝鮮への対応 17:00現在


日本政府の対応の第1報、これは歴史的な第1歩になるかもしれないので、かなりの長文ではあるがここに引用する。

7月5日付け共同通信ニュースより引用
日本政府は5日の安全保障会議で、当面の対応として、貨客船万景峰(マンギョンボン)号の入港禁止など9項目の制裁措置を決めた。入港禁止の期間については、これに先立つ持ち回り閣議で半年間とした。安倍官房長官は同日の記者会見で「制裁措置を当然念頭に置いている。わが国が行えるすべての制裁措置を検討したい」と述べ、その他の金融・貿易などの経済制裁措置についても、さらに検討している。
外務省は5日午前、ミサイル発射について、北京の北朝鮮大使館を通じ「厳重に抗議し、遺憾の意を表明する」と申し入れた。北朝鮮側は「本国に報告する」と応じた。
政府は制裁措置として万景峰号の入港禁止のほか、北朝鮮当局の職員の入国や、日朝間のチャーター便の乗り入れも認めない方針を決めた。また、日本国民には渡航自粛を要請する。ただ、現在新潟西港沖に停泊中の万景峰号に乗っている修学旅行生らの入国は認める方向だ。万景峰号の入港禁止は特定船舶入港禁止法によるもので、同法の適用は今回が初めて。
また政府はこれ以外にも、今後の経済制裁措置として、北朝鮮との輸出入取引や、北朝鮮への送金などの金融取引などについて、現行法を厳格に適用して禁止・制限することを検討している。
安倍氏は同日、ミサイル発射について「我が国の安全保障や国際社会の平和と安定、大量破壊兵器の不拡散の観点から重大な問題で日朝平壌宣言にあるミサイル発射モラトリアムにも反する疑いが強い。我が国として厳しい措置をもって臨む」とする声明を発表した。
麻生外相は同日の会見で「国際社会で激しく糾弾されるべきだ」と北朝鮮を非難。その後、米国のライス国務長官と電話で話し、北朝鮮に抗議したことや制裁措置などについて説明した。ライス長官は「今回の北朝鮮の挑発的な態度はきわめて遺憾」と応じ、国連安保理での対応を含め、両国が緊密に協議していくことで一致した。
与党も同日、自民党武部勤幹事長を本部長とする北朝鮮ミサイル問題対策本部を設置。「経済制裁を含め、毅然(きぜん)とした対処をすべきだ」などとした声明を出した。
 政府が5日の安全保障会議で決定した対応措置(骨子)は次の通り。
【対北朝鮮措置】
(1)北朝鮮側に厳重抗議。ミサイルの開発中止、廃棄、輸出停止と6者協議への早期かつ無条件の復帰を要求
(2)万景峰号の入港禁止
(3)北朝鮮当局職員の入国は原則認めない。北朝鮮からの入国についても審査をより厳格化
(4)在日の北朝鮮当局職員による北朝鮮渡航先とした再入国は原則認めない
(5)日本の国家公務員の渡航を原則見合わせ。日本から北朝鮮への渡航自粛を要請
(6)日本と北朝鮮間の航空チャーター便は乗り入れを認めない
(7)北朝鮮に関するミサイル、核兵器などの不拡散のための輸出管理措置を厳格にとる
(8)北朝鮮による不法行為への厳格な法執行を引き続き実施
(9)北朝鮮の今後の動向を見つつ、さらなる措置を検討
【国際社会における連携】
(1)日米のあらゆるレベルで緊密な連携をとる
(2)国連安全保障理事会等で対処されるよう必要な働きかけを行う
(3)6者協議関係国、G8首脳などの機会を通じて情報交換を行う

取り敢えずの緊急措置としては妥当と思える内容だ。今後北朝鮮の出方次第では更に厳しい内容の措置が取られるものと思う。また国連安保理での非難決議についての討議が始まるそうで、我国と同じく米国も相当に厳しい態度で臨むとの報道もある。当然欧州諸国も同調するだろうと見られているが、安保理常任理事国であるロシア・中国はあまりに厳しい措置はかえって逆効果だと難色を示す可能性が高いと言われている。仕方が無いことだが、こういった“力業”による“締め付け”もまた効果的な外交手段である。断固とした姿勢を見せるべきであると思う。