バージェス頁岩化石図譜
【タイトル】 バージェス頁岩化石図譜
【著者】 デレク・E.G.ブリッグスほか
【出版社】 朝倉書店
【発行年月日】 2003年9月15日
【版型 頁数】 A5版 232頁
【版 刷】 初版 4刷
【ISBN】 4254162456
【価格】 5670円
【目次】
序
まえがき
第一部
1.研究史
1−1 発掘
1−2 間奏曲
1−3 ケンブリッジ・プロジェクト
1−4 より多くの化石産地
2. 地質概要と化石の保存
2−1 ウォルコット石切場
2−2 運搬と埋積
2−3 化石の保存
2−4 バージェス頁岩生物群集
2−5 その他のバージェス頁岩型動物相
3. カンブリア紀の放散
3−1 原生累代の終わり
3−2 エディアカラ生物相
3−3 カンブリア紀の大爆発
3−4 バージェス頁岩動物相の意義
第二部
4. バージェス頁岩の化石
化石写真、復元図と解説
バージェス頁岩からの種の記録
参考文献
文献目録
訳者あとがき
索引
【コメント】
著者のひとりブリッグスは英国ケンブリッジ大学のウィッチントンの基で学び、コンウェイ・モリスらと共にバージェス頁岩の調査・研究に関わった。現在ブリストル大学地質学研究室勤務。第1部、第2章では例のS.J.グールド・『ワンダフルライフ』・早川書房での見解を否定しており、ケンブリッジ派VSグールドの論戦となっている。
本書はカンブリア紀の大爆発により多様な進化を遂げた動物群の研究史、化石写真と解説の図譜である。奇妙というかへんてこりんな動物たちのまじめな解説書だ。こんなのが海の中をにゅるにゅる泳いでいたり、海底をぞろぞろ這っていたりしたら気持ち悪いけれど面白い。何年か前のNHKスペシャルでも登場した、どこか愛嬌があるが実は獰猛で強力な捕食者だったアノマリカリスや、どこが頭でどこが足なのか良くわからないハルキゲニアなどけったいな動物が満載で、これらの生活を想像しただけで愉快になる。動物好きな人にお薦めの本である。