西條八十詩集 はてな年間100冊読書クラブ-N0.005


西條八十詩集 (ハルキ文庫)
【タイトル】  西條八十詩集 
【著者】    西條八十
【出版社】   ハルキ文庫(角川春樹事務所)
【発行年月日】 2004年3月18日
【版型 頁数】 文庫版 254頁
【版 刷】   初版 1刷
【ISBN】    4758430942
【価格】    714円
【目次】
詩集「砂金」より / 詩集「見知らぬ愛人」より / 詩集「美しき喪失」より / 詩集「一握の玻璃」より / 詩集「石卵」より / 抒情詩・童謡・歌謡 
解説・夏目裕 詩人西條八十の歩み
エッセイ・西條八束 父・西條八十の思い出
略年譜
主要参考文献


【コメント】
 最近少しばかり『詩集』に凝っている。ズーと以前より関心はあったのだが、和歌、俳句、川柳などの定型詩の方がより面白いと思っていたので、詩にはそれほどのエネルギーをつぎ込んではいなかった。それでも日本の代表的な詩人は要チェックと『日本の詩歌』中央公論社などは既に済ませた。それが最近になって、ここでも取り上げた「石垣りん」に感化されたのか、かなり意識するようになってきた。
 本書は前述の石垣りん詩集と同じ版元の同じシリーズとして出版されている。北原白秋西條八十の代表作の中から選出したアンソロジーである。同じような文庫本が沢山ある中でどうしてこの「ハルキ文庫」を選んだのかというと、本の体裁が他の老舗文庫とは違っており、面白いと思ったからである。造本は文庫本にしては頑丈で、表紙・カバーも厚手の紙を使っているのでしっかりしている。一番いいのは装丁が美しいことで、大変に気に入っている。いかにも詩集らしい現代風の洒落た絵が鮮やかな色彩とともに描かれたおり、センスの良さが感じられる。その現代的な装丁が違和感無く、古典的名著の表紙を飾っているのである。おそらく詩集シリーズで全体的なバランスの取れたデザインに統一されているようで、書店の本棚でも目立つ存在であると思う。老舗の文庫は歴史を感じるデザインではあるが、現代的な明るさ、詩集らしい美しさという点でかなり古臭い雰囲気を感じる。そんな訳で、このハルキ文庫はなかなかにいいよとお薦めしたい。