偉いぞ!立ち食いそば  


偉いぞ!立ち食いそば
【タイトル】  偉いぞ!立ち食いそば はてな年間100冊読書クラブ−No.042  
【著者】    東海林さだお
【出版社】   文藝春秋
【発行年月日】 2008年6月16日
【版型 頁数】 B6版 271頁
【版 刷】   初版1刷
【ISBN】    4163682201
【価格】    1150円
【コメント】
御存知漫画家の東海林さだおによるエッセイ集。庶民的な日常食、B級グルメなどを題材にして、独特の文体と軽妙なタッチで綴るエッセイの数々。いつもながら表現.描写がうまい。私は、疲れている時にこの人の本を読むと“癒され”、立ち直りが早くなる。言わば私にとっての“元気の素”のような存在であり、この著者の新刊は必ずチェックすることにしている。
あいかわらず、庶民的でありふれた食べ物への並々ならぬ想いは健在である。冒頭では、駅弁を食べ歩きながら「奥の細道」を巡るという大胆な企画から始まる。その次には、“立ち食いそば”がテーマであり、何と六編ものエッセイの連発である。それも“富士そば”という特定のそば屋の全品目を制覇するという“前人未到の快挙”を成し遂げてしまう。何と大胆ではないか?
以前にも書いたが、こういった「東海林さだお的ユーモア」はオトーさん向きであり、若者や御婦人にはなかなか受けないかもしれない。たぶん読者の殆どが中年以降のオトーさんであろうと思う。しかしその人気は絶大である。この人そんなに人気あんの?と疑問に思われる方は、試しにアマゾンで「東海林さだおの著作」を検索して見られよ。何と225冊が引っ掛かってくるではないか。単行本と文庫の重複を差し引いても相当な数となり、大流行作家並みの多種が現在もなお流通している事がおわかりになるだろう。赤川次郎司馬遼太郎に引けを取らぬ人気度といえると思う。たぶん長者番付の上位の常連なのだろうと思うがこのところ公表されなくなったので、証明は出来ないが・・・。
本書もまた、雑誌等の連載ものをまとめて単行本化したものと思われるが、出典が省かれているので原典がわからない。どうも経費節減にかこつけた“手抜き”ではないかと思われるが、一流出版社のやることではないなぁー。まあそこまでこだわらなくてもいいのかもしれないが・・・。
というわけで本書もまた買って直ぐに読み切った、私にとっての「処方箋的癒しの書」である。
【目次】
駅弁「奥の細道」 ・・・ 7 
偉業!立ち食いそば全制覇
 その一 ひっそりと咲いた人情の花 ・・・30 / その二 春菊天はうまい! ・・・ 46 / 
 その三 立ち食いそば屋のルール ・・・ 63 / その四 その奥深き様式美 ・・・ 80 / 
 その五 ズルズルの人々とオロオロ紳士 ・・・ 96 / その六 かくて立ち食いそば巡りは終わる ・・・ 111
対談 東海林さだお×丹道夫 
 立ち食いそば立志伝 ・・・ 123 / おじさん宝塚を観る ・・・ 149 / 喜ぶ人々 ・・・ 166 /
 食事のマナー考 ・・・ 182 / 温泉騒動ホテル闖入記 ・・・ 199 / 湯気学 ・・・ 216 /
 男は黙ってニンニク注射 ・・・ 230
対談 東海林さだお×黒川伊保子
言葉の不思議を尋ねてみたら ・・・ 247