7月9日付朝日新聞朝刊から


■日本外交 高い壁 −北朝鮮ミサイル 中ロは決議反対
日本が国連安保理に提出した北朝鮮への制裁決議案は、当初予想されていた通り中国、ロシアの反対にあい、成立が困難な情勢となっているとのこと。中ロ両国は今後より格付けの低い「議長声明案」を提案し、あくまで北朝鮮を追い詰めないような形に持ち込みたい模様だ。結局毎度のことではあるが、拒否権を持つ常任理事国への政治的影響力・発言力の無さをまざまざと思い知ることになりそうだなぁー。もっと外交上手にならないとね。こんな按配だととても常任理事国入りなど出来そうも無いと思う。
北朝鮮 にじむ焦り −宋大使会見 対日・対米進展なし
北朝鮮の宋日朝国交正常化問題担当大使の会見で、日本・米国を批判。しかし北朝鮮の苦しい状態に変わりは無く、焦りとも取れる発言に終始した模様。いつまでその空元気が続くのかわからないが、米国が苦し紛れの2国間協議に乗り出さない限り、経済制裁が改善されることも無く、より厳しい情勢に追い込まれることは確実と見られる。
■2年目のクールビズ −企業の3割が導入
夏の気温が高く、蒸し暑い日本では、夏場の電力消費量を抑制し、環境にやさしい地球を目指すため、涼しい格好で仕事に臨みましょうと小泉内閣の提案で始まったクールビズ*1もだいぶ定着しつつあるようで、3割の企業が導入しているという。結構なことだ。だいたい寒い英国や欧州の習慣である“ネクタイに背広”という出で立ちは、温帯以南の国には適さないのは明々白々だ。世界的に見れば日本も“暑い国”である。こんな格好をするより、もっと涼しい衣服でより快適に仕事に対したほうがいいに決まっている。冷房の設定温度を高めにし、消費電力を削減するのもいいことだ。一体全体どうしてこういう気候の大きく異なる外国の習慣が日本でも一般化、常識化したのだろうか不思議だ。
我が社でもこの夏前に通達があり、「クールビズの推奨、省電力の推進」が義務付けられた。本社・営業所ではより軽装での着衣でよい、但し来客への応対は礼を失しないようにとのこと。
バイオエタノール車 低速 −宮古島で快走 実用化へ石油業界の壁
バイオエタノールとは、サトウキビの絞り粕などを原料にしてアルコール発酵させて作るエタノールのことで、ガソリンに10%ほど混合させると、普通のガソリン車でそのまま使えるというもの。非再生型の石油燃料に変わる再生型燃料として期待されている。欧米で研究が進展し、実用も進みつつある。日本では今、宮古島でそのテストが始まっており、快調に車が走っているとのこと。*2ただし石油業界が完全に後ろ向きなため、経済産業省の思惑どおりには進みそうも無い情勢だ。ガソリンスタンドの設備改造によるコストアップや石油使用量の減少などがその理由だ。しかし世界の動きはどんどんこういった再生産可能なエネルギーの方へ向かいつつある。日本の石油会社も乗り遅れないようしっかり将来に向けた準備をしておかなければならないのだよと言いたい。後で悔いても知らないからね・・・・・・。
■ハイジ −映画広告より
新聞記事とは関係ないが、1面ベタ抜きの大広告で新作映画の『ハイジ』が紹介されている。原作はヨハンナ・スピリ、『アルプスの少女・ハイジ』でおなじみのあれである。翻訳本も多数あるし、過去に何度も映画化されているので、誰もが1度は読んだ或いは見たことがあるだろう。私は何度も何種類も読んだし、何作も見てきた。
こういった世界的名作のいいところは老若男女が世代を超え、時代を超えて共有・共体験してきたということだろう。だから共通の話題として誰もがコミュニケートできる。久しぶりで家族全員で見に行こうかと思っている。7月15日封切り。

*1:当時環境大臣だった小池百合子衆院議員が最初に使ったように記憶するが・・・。

*2:同じような再生型エネルギー、再生型燃料としてバイオディーゼル油がある。テンプラ油などの食用油の廃物から作る脂肪酸メチルという化合物で、軽油に10〜20%混ぜると既存のディーゼルエンジンでそのまま使える。やはり世界的に実用化段階にきており、日本でも地方自治体の経営する公営バスなどに使われている。