マラケシュの贋化石 下巻


【タイトル】  マラケシュの贋化石 下巻
マラケシュの贋化石〈下〉進化論の回廊をさまよう科学者たち
【著者】    スティーヴン・ジェイ・グールド
【出版社】   早川書房
【発行年月日】 2005年11月20日
【版型 頁数】 四六版 262頁
【版 刷】   初版 1刷
【ISBN】    4152086866
【価格】    2100円

【目次】
第三部 ダーウィンの時代と現代 ヴィクトリア朝英国の四大ナチュラリストに学ぶ教訓
 8章 劣等生ダーウィン 天才の多面性を見る
 9章 恐ろしくもすさまじい恐竜の皮肉
 10章 後知恵で未来を予測する
第四部 すばらしさの意味とそのありかを巡る六つの掌編
 11章 ピエリアの泉を味わいたくば深々と飲め
 12章 レクイエムよ永遠なれ
 13章 でかしたぞ
 14章 綺羅星の中の一番星
 15章 彼の時代とわれらの時代の栄光
 16章 これぞ人間
第五部 科学と社会
 17章 2つの仕事場にまつわる物語
 18章 緋文字Wの国際ブランド
 19章 ドリーのファッション、ルイのパッション
 20章 とにかく害をなさぬこと
第六部 あらゆる縮尺での進化
 21章 胚と祖先
 22章 見えるのに使えないという逆説
 23章 それ自身の部屋
訳者あとがき
図版クレジット

【コメント】
この巻では英国四大ナチュラリストのうちダーウィン、オーエンについての論考が描かれる。また第五部では例によって彼独特のレトリックというか、彼自身のオフィスと彼の祖父母にまつわるエピソードから話が起こされる。こういった展開は彼の得意技なのだろうが、こういう手の込んだストーリー展開は科学者の不得手なものだろうにといつも思ってしまう。これは明らかに小説家の手法だ。というわけでライターとしてのグールドの評判を裏付ける章となっている。実を言うとこういう手の込んだ手法は科学者自身による著作にはあまり向かないと思っているのだが…。