所謂オピニオン誌の右傾化に思う


この間、定期購読する月刊総合雑誌を決めるため、いくつかの雑誌を資料として購入し比較検討した。驚いたことにバブル以前(小生の学生時代ぐらい)と現在では大きく雑誌の論調が変貌していた。論座(朝日新聞社、以前は月刊朝日)、正論(産経新聞社、これは以前より右より)、諸君(文芸春秋)、VOICE(PHP研究所)など。いずれも右傾化が甚だしく過激な見出しにびっくりする。見出しだけでなく本文もかなり乱暴な語が多用されており、明らかに右翼的である。現在の問題点として靖国神社参拝問題、北朝鮮問題、中国問題などの課題を抱えているという事情があるにせよ、これほどの右傾化が進んでいると正直思っていなかった。この数年は新聞さえ不定期に大見出しだけを追う程度、ニュースなどTVの報道番組は国政選挙のときぐらいに見る程度という状態だったのでまるで浦島太郎である。笑い事ではない。ここまでくると危険な状態といえるのではないかと思う。
週間金曜日のHPに掲載されている佐高信のエッセイによれば、朝日新聞でさえ右傾化が甚だしいという。いったいどうなっているのだろうか?
さる雑誌で読んだのだが、80年代のベルリンの壁崩壊以後、次々と東欧諸国の共産主義体制が破綻したのが一番の要因らしい。日本国内においても旧日本社会党が消滅し、日本共産党も大幅に議席を減らしてきた。社会主義共産主義勢力の衰退は、左翼勢力の社会的な影響力低下につながったそうだ。その結果右翼勢力の台頭が激しくなっているとのことであった。なるほど、健全な左翼勢力が影響力を低下させれば右翼勢力がのさばるという図式である。いずれにせよこれは危険な兆候であるといえると思う。今後の動きを注目していきたいと思う。