旭山動物園革命
【タイトル】 旭山動物園革命
【著者】 小菅正夫
【出版社】 角川oneテーマ21(新書)
【発行年月日】 2006年2月10日
【版型 頁数】 新書 180頁
【版 刷】 初版 1刷
【ISBN】 4047100374
【価格】 724円
【目次】
はじめに
第一章 「旭山動物園」復活プロジェクト
1 「珍獣」いなくてもお客さんが増える秘密
2 予算がなくても知恵を出し合う
3 予算がなくてもアイデアで話題を作る
4 「理想の動物園」とは何か
第二章 動物の側になって考える
1 学術的知識は、良い展示を作る
2 ストレスのない環境は、動物をもハッピーにする
3 命を感じる動物園
第三章 動物から教えられること
1 動物から教えられること
2 「不利な条件」を克服する
第四章 改革に必要な組織とは
1 改革に必要な組織にはスターは不要だ
2 動物園の経営学
第五章 動物園と日本人
1 人はなぜ動物園に行くのか
2 未来に向けた動物園の役割
あとがき
日本の動物園年表
【コメント】
昨年夏、入場者数が上野動物園を上回ったと大きな話題になった北海道旭川市にある市立動物園の再建物語。著者はこの再建を陣頭指揮した小菅園長。職員一丸となって知恵と努力を結集した成功話。同動物園は日本最北にあり、旭川市の人口が32万人という。目標の年間入場者数は40万人とのこと。最低時で26万人だった年間入場者数が再建努力の結果、147万人に増えたという。実に6倍である.凄い成果だ。組織運営、経営再建の参考になると思われる。
どうやってこんなに入場者が増えたのか?いくつかポイントがあったようだ。まず第1は市民との対話。飼育係も入場者に対して気軽に担当の動物の習性や生活スタイルなどの説明をするという取り組みで市民に親しまれたこと。第2に展示方法に工夫をこらし、動物の3次元的な動きが観察できるようにしたこと。その展示方法の設計にあたっては当然ながらその動物の生態が良く分っていないとできないことを十分に認識しており、この辺をよく研究したことなどである。
動物園の紹介だけでなく、園長以下の関係者は動物が好きで好きでたまらないという思いが伝わってくる本である。