環境問題のウソ
【タイトル】 環境問題のウソ 京都議定書を守る日本はバカである
【著者】 池田清彦
【出版社】 ちくまプリマ−新書
【発行年月日】 2006年1月頃(なんとこの本、奥付が無い!!!)
【版型 頁数】 新書版 167頁
【版 刷】 なし(奥付が無い)
【ISBN】 4480687300
【価格】 798円
【目次】
第一章 地球温暖化問題のウソとホント … 7
1 地球温暖化は本当なのか … 7
2 温暖化は昔もあった … 16
3 陣現象それとも自然現象 … 25
4 温暖化で何が起こるか … 36
5 CO2削減政策のデメリット … 43
第二章 ダイオキシン問題のウソとホント … 52
1 ダイオキシンは危険なのか … 52
2 ゴミ焼却とダイオキシン … 63
3 農薬とダイオキシン … 68
4 ダイオキシンと世論操作 … 74
5 ダイオキシン法を廃棄しよう … 81
第三章 外来種問題のウソとホント … 89
1 外来種悪玉論のいかがわしさ … 89
2 日本の中の外来種 … 97
3 遺伝子汚染というナチズム … 104
4 外来種と生態系の変化 … 110
5 外来種駆除は税金のムダ遣い … 117
第四章 自然保護のウソとホント … 123
1 自然保護はなぜ必要か … 123
2 圏央道と昆虫採集禁止 … 130
3 文化庁のアナクロニズム … 139
4 人間の活動と自然保護 … 146
5 自然と共生するのに必要なこと … 155
あとがき
【コメント】
ご存知、池田教授の毒舌舌鋒、エッセイ集である。確か山梨大学教授で、定年まで後数年あったのではないかと思うが…。何故か今は早稲田大学国際教養学部教授になっており、理論生物学、昆虫学専攻。『構造主義生物学』を謳い文句に進化などを論じる現代のご意見番?少なくとも私にとっては大先生であり、御師匠さんである。
本書はエッセイ風仕立てではあるが、根本的な大問題である環境問題(温暖化、ダイオキシン)、外来種問題、自然保護問題を激しく批判し、正常化(?)させようと意図しているように私には思える。確かにこれらの問題への報道のあり方、アプローチ、政府・行政の動きなど一面的なものしか一般人には知らされない。この著者は、これら公権力に対しては厳しい目を向け、物の本質を突く考察、行動をとらなければいけないことを教えてくれるのだ。但しかなりヒネクレた言葉で、何か世を拗ねた雰囲気が感じられるが…。
この著者は47年生まれ、所謂団塊の世代である。全学連の華やかりし頃(その終盤か?)に学生時代を送った世代であろうと思う。筆者のヒネクレた文章表現(性格も?)と当時の学生運動に何らかの因果関係があるのではないかと勝手に想像しているのだが…。
まあそれはそれで、この著者の魅力であり、私はファンなのである。先に取り上げた現代思想2月号の特集、ポストゲノムの進化論でも元気のいい対談を披露してくれた。今後ももっと毒舌を吐き続けてほしいものである。