阪急ホールディングスが阪神電鉄株をTOB


5月30日付朝日新聞夕刊によると、阪急ホールディングス阪神電鉄株のTOB(公開株式買い付け)を開始するという。いよいよ佳境に入ってきた感じだ。村上ファンドの持ち株の行方はまだ決まっていない。役員派遣を求める同ファンドと阪神側との交渉がまとまっていないことが大きいそうだ。
しかし私の見るところ、村上氏は経営に参加することなど考えていないのではないかと思われる。なぜならまっとうな経営者を目指しているのであれば、このように手の込んだ買収劇を仕掛けたり、駆引きを駆使したりする必要は無く、自分の得意分野に関係した会社を買い取り、事業を拡大していくだろうからである。私には報道されたことしか村上ファンドの動きを知りえないが、昨年は報道・IT関連のフジテレビグループの株を買い、今度は鉄道・不動産などを扱う阪神電鉄グループの株を買い、経営に参加したいのですとおっしゃる。一貫した経営方針というか一体あなたは何をやりたいのでしょうか?と聞きたいところだ。普通に考えれば、一定の業種なり会社群なりをターゲットにして、その経営に参加したいというのがまっとうな経営者だろうと思う。そもそも株式の売買による差益で稼ごうと考えるからこそ、役員派遣などの条件を突きつけているのであろうと思われる。何れすぐに結論が出るだろうが・・・。
私自身は法律の枠内で株の売買をするのだから、彼らが何をやろうが自由なのであると思っている。気になるのは『阪神タイガース』の関係者にこういった人が入ってほしくないなと思っているだけである。同ファンドの買占めが明らかになった際に、阪神タイガース甲子園球場の経営について「わけのわからぬいい加減なこと」をあちこちで発言していたことが一番気がかりなのだ。だからまあ阪急グループの一員になるのは仕方が無いにしても、早く決着がついてほしいと願っている。