イラクから自衛隊撤退ほか


一昨日の朝日新聞によれば、イラク駐留の陸上自衛隊の撤退が決定し、首相により発表された。今月より撤退を開始し8月には完了する予定とのこと。イラク情勢を受けての判断らしいが、実情はどうだろう?派遣費用が嵩みすぎた、国内の批判が強くなってきたのでこの辺でやめようというのが本音ではないか?自衛隊への攻撃が恐ろしくなってきたということもあるのかもしれない。しかし隊員の皆様には危険な任務、ご苦労様と言いたい。
しかし自衛隊とは一体何なのだろうか?この問題については多くの日本人がキチンと理解し、意思統一できていないと思われる。私もいろいろ考えてみたが、結局結論は分からない。
そもそも戦争放棄、軍隊放棄という考え方自体が欧米型の論理ではありえないことなのだろうと思う。戦後占領軍の政策により日本は軍備を持たない、大陸からの共産主義の脅威には米国軍が当たるという方針が決まった。日本側もそのほうが安上がりだし、兵隊も出さなくてよいなら結構なことだと吉田茂などの指導部も合意したようだ。その結果占領期には自前の軍隊は無し、自主独立後は“自衛隊”という形で外的の侵略には対抗できるとする形ができた。問題はどこまでが侵略に当たるのかということであったが、湾岸戦争までその侵略に当たるものが無かったため、具体的な軍事活動も無くきたという感じだろう。しかし冷戦構造の崩壊、中東での紛争激化を経た今、欧米先進国、特に米国の意向が変わったと観るべきであろう。米国国防長官の発言などを聞いていると日本も積極的にイラク問題に関与しろよという態度がありありである。
そんな情勢なので日本の自衛隊の存在は中途半端に思われているのは確かなようだ。“自衛”のための軍隊という極めて日本的な存在が世界、特に欧米の国防・外交の考え方と相容れないものだろうことは容易に理解できる。しかし、だからといって憲法を改定して自衛隊の活動範囲を拡大し、国際紛争解決に向けた“戦力”として合法的に活動できるようにしたほうが良いということにはならないと思う。大事なのは戦争、軍隊に関する日本の主張を諸外国にも理解してもらえるような活動が不可欠だということである。歴代政権のうち一体誰がそんな主張をしてきたのか?いつも米国の言いなりに金を出し、人を出し、今度は軍隊を出した。何時までもそんな子供の外交をしていてはいけないのだ。米国にもイラクにも、北朝鮮にももっと強く働きかけ、話し合い、なだめすかして問題解決にあたるという姿勢が必要だと思う。
軍事力を伴わない外交というのは無意味だという論理が一般的だ。歴史がそれを証明しているというわけである。この数日テポドンで話題沸騰の北朝鮮があれだけミサイルや核兵器にこだわるのも、元はと言えば軍事力の増強こそ諸外国との外交を有利に進める手段であると考えているからだろう。ただそんなことをしていてもなかなか軍事力は増強できないし、“敵”も更なる増強を図るので、その差がなかなか埋まらないはずだ。一体どこまで行こうと考えているのか?そんなことやっている間に大勢の国民が餓死していくという現実をどう考えるのか?
自衛隊、兵器、軍隊などここ数日の話題をまとめたいと思っていたが、どうも自分で何を言おうとしているのか分からなくなってきた。この辺でやめよう。しかし今度はきちんと結論をまとめなければいけないなと思っている。