第二の故郷を見つける旅に出よう  


第二の故郷を見つける旅に出よう―函館から竹富島まで (朝日文庫)
【タイトル】  第二の故郷を見つける旅に出よう  函館から竹富島まで
        はてな年間100冊読書クラブ−No.052
【著者】    西田成夫+グループ「旅の通」
【出版社】   朝日新聞社朝日文庫に8-1)
【発行年月日】 2006年6月30日
【版型 頁数】 初版1刷
【版 刷】   文庫版 282頁
【ISBN】    4022615028
【価格】    630円
【コメント】
本書はそのタイトルにある通り、本当の故郷の他に日本全国に2つ、3つ第二の故郷を作り、年に2、3回通って4.5日を過ごす、そんな旅の楽しみ方をするためのガイドブックだ。ただ単に休日を過ごしたり、観光するためだけではない。その土地の人々とふれあい、地域の行事に参加し、人と会話するための旅の進めだろうと思う。だから例えば、なじみの宿、いつもの料理、行き付けの店、ぜひ参加したい祭やその地の行事など、ある程度決まったメニュー、コースを想定している。その辺が単なる旅行ガイドとは一味違った内容になっている。こういう旅行ガイドは類書が無いだろうし、面白い企画だなと思う。
執筆陣については代表の西田氏以外は詳しい紹介が無いけれど、私には50代以上のオトーさん達であるように思える。文章を読んでみてそう思う。たぶん私より一周りほど上の世代であろう。仕事を忘れ、珍しいものに触れ、その地の人達と交わることを目的とし、何回も“帰っていく”故郷なのである。そういうものが必要な世代なんだなと思う。
こういう本を読むと、なにやら無性に旅に出たくなる。さてどこに行こうか考えてしまう。いっそのことこの本にある町を順番に回って、気に入った町に通うことにしようか?それもなかなかにいい選択だと思う。
個人的に興味を持ったのは、③大内宿・湯野上温泉福島県)、⑤和田町・旧丸山町(千葉県)、⑬竹野・香住(兵庫県)かな?③はいい温泉があって、囲炉裏を囲んだ会話がなんともしみじみとした雰囲気だし、⑤は雄大な太平洋の景色を眺めながら鯨料理を食らうのが豪快、⑬は日本海の海の幸が魅力的、また“但馬牛”の本場でもある。なにやら食らうことばかりで恐縮だが、その地の旨いものをその地で食らうのは旅の醍醐味の1つだよね。それから④の益子は今住んでいる茨城県のT市から車で1時間半ほどの距離なので、実は何回も行っている。残念ながら人とのふれあいはあまり無く、いつも決まった店で焼き物を見て、決まった店でお茶を飲み、わずかばかりの買い物をして、慌しく帰ってくるという事の繰り返しであった。今度行くときは、もっと町のことを調べて、手ごろな宿を決め、人との交わりを持つ旅にしたいと思っている。例えば体験教室で珈琲カップなど焼いてみるのもいいかな?焼き物関係の催しもいろいろあるようなのでそれにあわせて休暇を取ろう。今度は一味違った旅にしたいなと思っている。
あれやこれやと想いは尽きないが、本書にある通り確かに第2の故郷を2つ3つ用意しておくことは、実に贅沢なことだ。早速今年から実践してみようと思っている。
【目次】
全国故郷マップ ・・・ 2
カラー口絵 ・・・ 9
序論 本物の故郷へ、第二の故郷へ ・・・ 17
①函館(北海道) ロマンチックな町並みと優しい人々 ・・・ 23
②尾岱沼・根釧台地(北海道) 雄大な風景に白帆、牧草、厚生花園 ・・・ 57
③大内宿・湯野上温泉福島県) 茅葺の旅籠の囲炉裏端 ・・・ 77
④益子(栃木県) やきものの里の好人物たち ・・・ 95
和田町・旧丸山町(千葉県) 太平洋を望む農と花と鯨の里 ・・・ 111
秩父(埼玉県) 山村の子供生き生き。祭に踊る ・・・ 125
⑦松之山(新潟県) 湯治の露天風呂から望む柳田の絶景 ・・・ 149
⑧杖突街道・高遠(長野県) 花街道・花城址・花の村 ・・・ 161
郡上八幡岐阜県) 清流がうるおす、なつかしい町 ・・・ 177
越中五箇山富山県) 合掌造りの民宿とおふくろの味 ・・・ 195
越前大野福井県) 昭和30年代そのままの奇跡の町並み ・・・ 213
⑫久多(京都府) 水清く山青し、清純な隠れ里 ・・・ 225
⑬竹野・香住(兵庫県) 澄み切った海、豊かで平和な猟師町 ・・・ 237
⑭大洲(愛知県) 温暖な古都を徘徊できる幸せ ・・・ 255
竹富島沖縄県) 神々と生きる星の島 ・・・ 269