電気屋でターンテーブルを見つけて狂喜す


我が家のテレビが相当に写りが悪くなってきたので、先日近所にある郊外型の電気屋さんに行って見てきた。ボーナスも入ったし、そろそろ買い換えをと思ってのことだったのだが、欲しいと思っていた大型液晶テレビは高額すぎて断念した。あれやこれやと見て回ったけれど、もう少し今のを使いましょと家人は言う。結局購入をあきらめて帰りかけたところ、ふと眼にとまったのがステレオセットである。古ぼけた感じのする木目調で、茶箪笥の格好をしており、一体型のコンパクトなステレオであった。なんだかうれしくなって暫く見入ってしまった。何が気に入ったかというと、CDプレーヤー、カセットデッキ、アンプ、スピーカー、ラジオがいかにもレトロな木調の箱に入っていて、茶箪笥らしく引き出しまで付いているのだが、そのデザインがとても年代モノを思わせるいい雰囲気なのと、もう1つ箱の最上部にはなんとLPレコード再生用の『ターンテーブル』が組み込まれているではないか。勿論レコード針の付いたアームもある。今どきこんなのがまだ売られているとは知らなかった。
既に音楽の媒体としてはCDが主流になって久しい。最近は、80年代以前の音楽もCD化が進んでいる。だからLPレコードというものも無くなったし、言葉自体が死語になった。若者にはLPレコードと言っても何のことだか分からないだろう。勿論“レコード屋”などというものは町の商店街から消えてしまった。それが今またターンテーブル付きのステレオとして電気屋に帰ってきたわけである。
衝動買いに駆られかけたが、ここはぐっと我慢してカタログだけ貰ってその日は帰ってきた。今手元にあるそのカタログを見ながらこれいいなぁー、欲しいなぁーと何度も何度も眺めている。実は高校時代より集めたアルバムが相当数手元にある。どれもこれも思い出深いものばかりだが、如何せん再生用のステレオセットが10年ほど前に故障してしまい、修理することも出来ず仕方なく捨ててしまったので、今はこのレコードを鑑賞することが出来ない。だから電気屋で見つけたこのステレオが是非欲しいと思っている。機能的には現代的な使用にもマッチしているので全く問題ない。この雰囲気は和室の隅に置くのが合っているかなと思う。大きさも最小サイズだし、3LDKの我が家に置いてもそれほどの圧迫感は無いだろう。
欲しいなぁーこれ。資金はどうするの?次のボーナスに思い切って買うか?テレビはどうすんだ?なんとかなるさ、などとあれやこれや自問自答しながら過ごしている。