忍者丹波大介  


忍者丹波大介 (新潮文庫)
【タイトル】  忍者丹波大介   はてな年間100冊読書クラブ−No.056   
【著者】    池波正太郎
【出版社】   新潮社(新潮文庫い 16 2)
【発行年月日】 昭和53年4月25日
【版型 頁数】 文庫版 626頁
【版 刷】   初版63冊
【ISBN】    4101156026
【価格】    820円
【コメント】
御存知時代小説の大家、池波正太郎の忍者小説。舞台は関が原の合戦前後の戦国時代末期、甲賀忍者丹波大介の活躍を描く。痛快活劇の中に忍者としての思い、戦国武将の生き様、歴史の流れなどを盛り込んで楽しませてくれる。中でも忍術の凄さを描く部分はその超人さ故かハラハラドキドキの連続で、一気に読ませる醍醐味がある。
最近でこそ殆ど小説を読まなくなってしまったが、時代小説は好きな方だと思う。中でも忍者小説は大好きだし、いろいろ読んできた。池波正太郎司馬遼太郎柴田錬三郎、五味康裕、山田風太郎村山知義なんて作家もいたな。そうそうハーボドイルド派で知られる大藪春彦もなぜか唯一忍者モノの歴史小説を残していたよな。
どうして忍者がすきなのか?多分物心ついた頃に発展し始めたてテレビの影響が大きいと思う。『隠密剣士』、『ワタリ』、『風のフジ丸』、『カムイ』、『仮面の忍者赤影』などなど。いろいろの忍者物を見てきて、カッコいいなと子供心に思ってきたからだろうと思う。だから大きくなってもまだこういう“超人的スーパーアイドル”に憧れているところがある。
最初に見た隠密剣士に主人公・秋月新之助*1の家来に伊賀忍者・霧の遁平*2という人がおり、この伊賀忍者集団がとても印象強く頭に残っているからだと思う。要するに“刷り込み効果”である。以来40年以上になるが、何度読んでも面白い。勿論、白戸三平の漫画で読む忍者も好きである。
よくできた歴史小説というのもかいつまんで日本史を知るのにいい教材だといえる。学者の書く歴史書というものはなにか難しすぎるな思うことがあるし、退屈になることも多い。こういう小説で読む歴史物は、流れに乗せられて一気に読みきる事が多いのでその間十分に楽しめる。だからたまにはこういうモノを混ぜながら読書計画を進めるのもいいだろうと思っている。

*1:この役名は記憶が定かでないが・・・。大瀬光一という当時のスーパーアイドルスターが演じた。この人、月光仮面もやっていた。

*2:忍者役の似合う牧冬吉という役者が演じた。この人は、仮面の忍者赤影にも出ており、白影役だった。