火の国の城 上下巻
■火の国の城 上巻
【タイトル】 火の国の城 上巻 はてな年間100冊読書クラブNo.057
【著者】 池波正太郎
【出版社】 文藝春秋
【発行年月日】 2002年8月10日
【版型 頁数】 文庫版 501頁
【版 刷】 新版7刷
【ISBN】 4167142791
【価格】 700円
■火の国の城 下巻
【タイトル】 火の国の城 下巻 はてな年間100冊読書クラブNo.058
【著者】 池波正太郎
【出版社】 文藝春秋
【発行年月日】 2002年8月10日
【版型 頁数】 文庫版 443頁
【版 刷】 新版 6刷
【ISBN】 4167142805
【価格】 620円
【コメント】
昨日紹介した『新潮文庫版・忍者丹波大介』の続編。前作では関ヶ原の合戦までの東軍・西軍の興亡とその間に生きる“忍び”の物語だったが、この作品では、その後大阪の陣までの徳川勢対豊臣勢の駆引き、諜報員・破壊工作員としての忍者軍団を描いた長編活劇である。人間業とも思えない“超人”ぶりで活躍する若き忍者の物語を名のある戦国時代の武将達の生き様や歴史記述と絡めて描いている。
関ヶ原の合戦後、請われて肥後国・加藤清正に雇われた甲賀忍者・丹波大介とその一党が敵である徳川勢、伊賀忍者、更には甲賀忍者との格闘、微妙な東西勢力のバランスの中で登場人物たちの揺れ動く人間模様が面白い。
やっぱり忍者はその忍術の凄さがうりだ。手の込んだ妖術・仕掛けより、速く走る、石垣を登る、床下の狭い空間を行くなどの体力・行動様式の描写が実にリアルで、凄いと思わせる。またサムライ言葉も実にテンポの良い文体で、一気に読ませる感じがする。大名や大物の会話は古風な武家言葉がなにやら重々しい雰囲気もある。こういった文体の構成・使い分けも時代小説ならではであろうと思う。
忍者についてもっと知りたいと思い、その基本文献なども少し集めたことがある。伊賀、甲賀の他に伊那、根来、雑賀、風魔、戸隠、斑鳩などあっちこっちに忍者がいたようだ。こんなのを調べだすと際限なくなってしまう。彼らはどんな生活をしていたのか?忍術にはどんなのがあるのか?忍びで使う道具は?などなど。
最近は小説を読む時間がなくなってしまったので、努めて小説の新刊は注意も払わず、購入もしていない。だから今の時代にどんな小説が出ていて、読まれているのか殆ど知らない。これではちょっと淋しいかなと思っている。少しは楽しむ読書しなくてはなぁーと思っているところである。