20世紀・革命


20世紀 革命 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀・革命   はてな年間100冊読書クラブーNo.062
【編著者】   読売新聞20世紀取材班    
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO20世紀S17-1)
【発行年月日】 2001年6月25日
【版型 頁数】 文庫版 285頁
【版 刷】   初版
【ISBN】    4122038499
【価格】    680円
【コメント】
1997年12月より翌年の3月にかけて、読売新聞に連載された記事をまとめた全8巻本の『20世紀 どんな時代だったのか』・読売新聞社を巻立てを改め、時代・テーマごとに全12巻に再構成したシリーズものの第1巻である。以後欧州大戦、大東亜共栄圏など昭和史に繋がる重要な歴史記述へと展開するシリーズだ。
元々が新聞の連載記事として編集されたものなので、できるだけ多くの人々に読ませるよう意図されている。読みやすい文体で、平易な言葉を用いてあるため分かりやすい、1章立てが短めで一気に読めるなど文庫本に適した内容となっている。小論の連載ということで、細切れ記述・トピックス的な取り上げ方になるので、世界史の全体像がぼやけるという短所もあるが、総じて言うと大変貴重な証言が多く、面白く読めるシリーズ本である。以後の巻も続けて読みたいと思っている。
20世紀の始まりは『革命』からということか?ロシア、中国での革命の歴史と評価についての論考が並び、何れも分かりやすい文体でかかれているので読者を飽きさせない。高校の世界史の副読本、歴史読み物ぐらいの位置付けだろうか、軽い気持ちで読み終えた。シリーズ構成を見ると、本巻は『昭和史前夜』としての位置付けのようで、本論への序章として静かに歴史記述が始まるという感じだろうか?今後の展開が楽しみである。
【目次】
〓 ロシア革命ソ連
社会主義神話の崩壊 ・・・ 10 / 最後の皇帝ニコライ ・・・ 18 / レーニン 隠された実像 ・・・ 27 / 
ユダヤ人救世思想の実践 ・・・ 35 / 粛清の恐怖 ・・・ 43 / ソ連軍人粛清 ・・・ 54 / 
大粛清、兄は消えた ・・・ 59 / 革命ロシアに消えた日本人 ・・・ 63 / 
顔を変えたスターリン ・・・ 79 / コミンテルン、希望と混乱 ・・・ 87 / 
孫が語るトロツキー、「運命の日」 ・・・ 96 / スターリン批判 ・・・ 108 / 
秘密警察の論理 ・・・ 116 / ブレジネフの日 ・・・ 124 / ゴルバチョフの誤算 ・・・ 134 /
 失われた時間 ・・・ 140 / 教皇の「ソ連」 ・・・ 148 / 郷愁の風圧 ・・・ 156
〓 中国革命
書き直される「正史」 ・・・ 166 / 辛亥革命 栄光と挫折 ・・・ 174 / 大陸に翔ぶ夢 ・・・ 182 / 
国共合作 ソ連に学んだ双子 ・・・ 192 / パリの革命家群像 ・・・ 200 / 
毛沢東の栄光と悲惨 ・・・ 219 / 整風運動 半世紀の冤罪 ・・・ 227 / 
文化大革命 死選んだ大作家 ・・・ 232 / 救亡、救国 3つの法宝 ・・・ 244 / 
〓小平の改革・開放 ・・・ 256 / 中ソ対立 屈辱の干渉 ・・・ 265 / 
少数民族の苦悩 ・・・ 279 / 中国革命 百年の決算 ・・・ 275
参考文献 ・・・ 280
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 284