冷夏による不出来でキュウリが高い


ようやくに関東地方でも梅雨が明け、本格的な夏到来になったが、後10日ほどで早お盆になる。今年は短い夏で終わりそうだ。これでは夏の商品、アイスクリーム、カキ氷、生ビールなどは売れ行き不振は間違いない。プールや海水浴場もさっぱりかもね。
冷夏のせいで東日本の農作物の不出来がボチボチ話題になっている。すでにキュウリ、キャベツなどの高原野菜が高騰している。おそらく秋もの、米、芋なども不作になるのだろう。米などはひょっとして10何年ぶりかの不足になるかも知れない。そうなると食費の負担が増し、庶民の生活を圧迫することになる。困ったものだ。
二酸化炭素濃度の増大、オゾン層の破壊などが地球温暖化の要因と指摘されて久しい、これらの要因と気温の上昇の因果関係が示されたと専門家の研究結果が出ているそうな。実は私、ほんまかいなと思っている。というのもこれらの研究は、最近の100年間ほど、地球規模からするとほんの短時間のことしか考えていないからである。これではどうも説得力が無いように思えるのである。
地球は過去10万年周期で温暖期と寒冷期を繰り返している。その原因は地球が太陽の周りを公転している軌道にあるらしい。確定的な原因はともかく、10万年周期説は地質学、気象学の一般則だ。西暦2000年代の今は、氷期と暖期の間、間氷期にあり、これからだんだん寒くなる方向に進んでいる。だからあと20年から30年後より気温は下がり始めると考えられているのだ。だから二酸化炭素濃度云々という議論はどうもなぁーと思ってしまう。
このあたりの詳細は以前にこの読書録で取り上げた池田清彦・『環境問題のウソ』・ちくま新書に詳しい。この著者は相当に“癖”のある学者なので、かなりの敵がおり、嫌っている人も多い。だからかなり誤解されている面も多いのだが、私はこの人の論理構成、主張は正しいと評価している。構造主義生物学なる理論も展開する哲学者としても尊敬している人である。
冷夏のせいで、キュウリが高いと家人が嘆いている。今年はそういう年なのだから仕方が無い、人間には気候をどうすることも出来ないし、これを受け入れるしかないのだよと言って聞かせているが、どうも納得していない様子だ。まあ我が家の内での不平不満などは地球の歴史、宇宙の歴史に比べれば、微々たる出来事でしかないのだから、さしたることもあるまいと諦めている。

環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)