20世紀・太平洋戦争


20世紀 太平洋戦争 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀・太平洋戦争   はてな年間100冊読書クラブ−No.066
【編著者】   読売新聞20世紀取材班    
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO S17-5)
【発行年月日】 2001年10月15日
【版型 頁数】 文庫版 292頁
【版 刷】   初版1刷
【ISBN】    4122039169
【価格】    680円
【コメント】
本巻は読売新聞20世紀取材班による20世紀シリーズの第5巻、軍部主導により暴走しだした日本が東アジア、東南アジアを経て、米国・真珠湾へ侵攻、世界大戦に参入。そして原爆という悲劇で終戦に至る。奇しくも今日は8月6日、かつて広島に原爆が投下された日である。第2章ではその“原子爆弾”にまつわる秘話が幾つか・・・・・・。執筆者の調査・研究による論考が主体だったこれまでの巻と異なり、この巻では、関係者へのインタビューという形式が主体で歴史記述が進行するのが特徴か?
本書では、米国の反撃やソ連の参入など、相手方から見た太平洋戦争についての記述が目に付く。意外にも軍内部、日本の指導部側の論理があまり明確では無い。どうしてか?もう出尽くしたからなのか?これが一番重要なことだと思っている。だから今後も『太平洋戦争の総括』を考えていかなければいけないのだ。真珠湾にまで侵攻したのは、日独伊・三国同盟の関係だろうか?欧州ではドイツ、イタリアが、アジアでは日本が盟主となり、米国との最終決戦に臨むという作戦だったのだろうか?当時の軍部・指導層の戦争計画というか侵攻作戦がどんなだったのか知りたいところであるが、何らかの資料が有るのあろうか?東京裁判の記録や軍部を扱ったドキュメントなど探してみたいと思っている。
毎年この時期になると世間では戦争や原爆という話題が多くなる。夏の甲子園も今日から開幕したが、15日のお昼には甲子園球場でも1分間の黙祷を捧げるイベントが行われる。日本人にとって、どうしても忘れることが出来ない“シンボリックな日”である。
結局戦争についての『総括』が政府レベルでまだなされていないということが一番の問題なのだ。アジア外交靖国問題など近隣諸国との間に抱える課題は山積している。うやむやの内に『戦争放棄』、『核兵器根絶』などを叫んでみても、なかなか近隣諸国の理解は得られないということだ。9月には新しい政権が発足するはずだが、さてこの辺の問題についてどういった展開になるのだろうか?某A氏が次の総理大臣の有力候補らしいが、このタカ派の政治家がリーダーになって日本はどう変るのだろうか?
昭和史・戦争について真正面から考え初めて半年ほどになるが、まだ良く分からない。どうしてこういうことになってしまったのかが・・・・・・。これからも考え続けなければと思っている。
【目次】
1 日米決戦
真珠湾攻撃 無頼裏核心いまだ封印 ・・・ 10 / 日米開戦 あの時何があったのか ・・・ 18 / 
真珠湾奇襲 −そのとき、記者は ・・・ 30 / 山本五十六 死招いた“東郷の幻影” ・・・ 44 / 
日系米兵 米国への忠誠 武勇で証明 ・・・ 51 / 誤鏐の始まり ・・・ 55 / 
あるキリスト教者 戦地の抵抗 ・・・ 63 / 栄光と悲劇 「沢村伝説」 ・・・ 73 /
飢えと屈辱 十三万人のオランダ人 ・・・ 84 / ガダルカナル 敗戦への分水嶺 ・・・ 94 / 
半世紀前の“コンピュータ戦争” ・・・ 100 / 爆弾とともに舞い降りたビラ ・・・ 109 / 
沖縄戦 失われた魂の発掘 ・・・ 119 / ソ連参戦 「反ソ」強めた中立破棄 ・・・ 126 / 
日本人避難民 死の淵からの生還 ・・・ 133 / 昭和天皇 責任論議深いよどみに ・・・ 144 / 
東洋人として、一日本人として ・・・ 158 / あの戦争 ゆれる呼称 ・・・ 167 / 
子へ、孫へ 「あの戦争」を語り継ぐ ・・・ 176
2 原子爆弾
科学者たちの「戦争責任」 ・・・ 186 / 原爆開発 「国家管理の科学」幕開け ・・・ 196 / 
ヒバク 世界に広がる恐怖 ・・・ 210 / 核の時代と二人の女優 ・・・ 225 / 原爆投下 
展示論争揺れる米の「常識」 ・・・ 232 / 世界の教科書に見る「原爆投下」 ・・・ 254 / 
原爆問題の栄光と苦悩 ・・・ 262
参考文献 ・・・ 284
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 291

東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫) 最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀) 戦後史 (岩波新書 新赤版 (955)) 大磯随想 (中公文庫―BIBLIO20世紀)

20世紀・大東亜共栄圏


20世紀 大東亜共栄圏 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀・大東亜共栄圏   はてな年間100冊読書クラブ−No.065
【編著者】   読売新聞20世紀取材班    
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO S17-4)
【発行年月日】 2001年9月15日
【版型 頁数】 文庫版 245頁
【版 刷】   初版1刷
【ISBN】    4122038952
【価格】    680円
【コメント】
本巻は20世紀シリーズの第4巻、大日本帝国の成長を受けて、海外への展開を始めた日本の“植民地”運営の軌跡について。大東亜とはどうも時代掛かった言葉の響きがあるが、漢字の意味から分かるとおり、“大いなる東アジア”を意味する。当初は日本本土の他に、中国東北部満州国、朝鮮、台湾を含む地域を指していたが、その内どんどん拡大していき、現インドネシアのジャワ・スマトラ、フィリピンのミンダナオ、太平洋上のミクロネシア諸島であるグアム・サイパンなどもこの範疇に入るようになった。このあたり石原莞爾の『最終戦争論』にあるような東アジアの大連合が米国圏と最終戦争を争うという考え方の基に構想された“経済圏”であろうか?植民地政策の理論化というか理由付けというか、国民を納得させるためのシナリオともいえる考え方であったようだ。
しかし、その構想もそう簡単には実現し難く、現場は相当に地元民の抵抗にあったし、支配者側の采配ミス、誤算などいろいろあって、かなり統制の取れない“共栄圏”となった。共栄圏といっても結局日本の植民地支配なのであるが・・・・・・。特に満洲における関東軍の暴走や中国での抗日運動による抵抗、大本営の迷走などマイナス要因、政府の読み違えが大きく、後の総力戦において脆くも崩れ去ってしまった。
第3章では戦争ものの書物には珍しく、その当時の女性をテーマにした論考が組み入れられている。このあたりは多分、新聞連載開始時の構想には無かったが、例の従軍慰安婦問題が韓国で起きたことが原因となって急遽組み入れられたという感じがするが・・・・・・。
本書は第二次世界大戦前夜の日本の動きをトピックス的に解説した小論の集まりである。学者の書いた論文ではなく、新聞の連載が基になっているので、相変わらず読みやすい文体・用語であり、テンポよく読み進むことができる。
さて次の第5巻では、いよいよ太平洋戦争に突入することになる。20世紀前半のクライマックスとでも言えようか?では次の機会にコメントしたいと思う。
【目次】
1 戦時体制
日本の誤算 名ばかりの民族協和 ・・・ 10 / 大東亜共栄圏 理念から回り日本の大義 ・・・ 17 / 
朝鮮統治 「内鮮一体」掲げ皇民化 ・・・ 52 / 台湾統治 “ご都合主義”の同化政策 ・・・ 66 / 
海外神社 異民族支配に深く関与 ・・・ 74 / 映画の中の日本軍 カンボジアの場合 ・・・ 81 / 
軍神の誕生 戦意高揚の“英雄” ・・・ 90 / 政党政治の崩壊 腐敗・失政に不満 ・・・ 97 / 
混合民族論 植民地政策の道具に ・・・ 104 / 陸軍幼年学校 俊英誤らせた特権意識 ・・・ 108 / 
戦争報道 強制と迎合で“宣伝役”に ・・・ 112 / 国民生活 官民挙げ「総力戦」に ・・・ 119 /
逆流移民 父の国で“母国”と敵対 ・・・ 130 / 革新官僚の光と影 ・・・ 134 / 
統制化 官僚の強大権限 ・・・ 141
2 大戦前夜
日米衝突 中国めぐり覇権争い ・・・ 152 / 軍縮会議 「対米七割」海軍の執念 ・・・ 159 / 
米中接近 日本を警戒 連携を深める ・・・ 166 / 海軍と開戦 中堅将校強硬な主戦論 ・・・ 173 / 
三国同盟 ソ連加えた連合構想も ・・・ 180 / 開戦決定 軍の官僚化 迷走に拍車 ・・・ 184
3 戦争と女性
海を渡った女たち ・・・ 190 / 戦争と性暴力 遅すぎた裁き ・・・ 215 / 
女性解放運動家 アダムズの軌跡 ・・・ 222 / 加藤シヅエの体験した激動の百年 … 232
参考文献 ・・・ 241
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 244

帝国の昭和 (日本の歴史)

20世紀・大日本帝国


20世紀 大日本帝国 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀・大日本帝国   はてな年間100冊読書クラブ−No.064
【編著者】   読売新聞20世紀取材班    
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO S17-3)
【発行年月日】 2001年8月15日
【版型 頁数】 文庫版 236頁
【版 刷】   初版1刷
【ISBN】    4122038774
【価格】    680円
【コメント】
本巻は20世紀シリーズの第3巻、明治維新により幕藩体制を突破し、近代化へと歩み始めた日本が、新たに向かえた外交的、経済的試練の幾つかを論じ、その経過・意義を問う。日露戦争*1、昭和恐慌*2日中戦争*3である。
やはりここでも“戦争”が主題である。どうやら洋の東西を問わす、歴史の大筋は常に戦争により動かされてきたというのが実情のようである。先の第2巻・欧州大戦でもそうだったが・・・・・・。要するに『戦争は武器を用いた外交であり、外交とは武器を用いない戦争である』というローマ帝国の格言は的を射ているようだ。
当時まだ民主主義が定着しておらず、明治以前の“士農工商”と同じような階級性社会の中にあって、軍部という権力集団の影響力がどんどん大きくなってきて、遂には政治の中枢に居座ることになっていった様が明らかになる。独逸におけるナチスのような展開が日本でもあったわけである。その後には世界大戦への参入という無謀な行為へと向かうことになる。
軍部関係の歴史、いきさつなど詳しいことは知らない。そもそもこういった内容は当局も積極的に資料を公開したりすることがないし、学校でも詳しくは教えてくれない。戦後も60年、日露戦争からだと100年を経ようかという時代なのだから、もうそろそろ洗いざらい資料を公開し、政府自らが真実に迫るべきだと思う。そして今の話題である“靖国問題”や“アジアでの侵略行為”につての総括を行うべきなのだ。ドイツが既に取り組んでいるように・・・・・・。そんなふうに思っている。
戦後61回目の終戦記念日をもう直ぐ迎える。昭和史と戦争、国際関係を考える取り組みをはじめて半年が経過しようとしているが、まだまだ未熟で、良く分からないことが多い。次回は第4巻・『大東亜共栄圏』を取り上げる予定にしている。
【目次】
1 日露戦争
「孤独」から「共同」へ 論説が展望した二十世紀日本 ・・・ 10 / 「日露」前夜 チベット情報戦 ・・・ 19 / 
日露戦争 脱亜の果ての分割 ・・・ 29 / 戦艦三笠 東郷元帥との“名コンビ” ・・・ 38 / 
勝利の謀略 ・・・ 48 / 「赤い華族」令嬢の夢 ・・・ 56 / 命がけのシルクロード ・・・ 67 / 
明治天皇の実像に迫る ドナルド・キーン インタビュー ・・・ 77
2 昭和恐慌
昭和金融恐慌改革 無残な挫折 ・・・ 88 / 昭和恐慌 「突破口」求め「革新」運動 ・・・ 96 / 
金解禁 太平洋への引き金 ・・・ 105 / 高橋財政 攻めの政策 ・・・ 113 / 
“巨大ビル”東京上空に飛来 ・・・ 124
3 日中戦争
日中戦争 利益線構想が助長した膨張 ・・・ 130 / 満洲事変 軍独走、国際協調を破壊 ・・・ 138 /
石原莞爾 事変の張本人裁かれず ・・・ 152 / 満鉄 西欧の“風”運び近代化 ・・・ 159 / 
西安事件 抗日統一戦線に弾み ・・・ 166 / 中国再認識 関係修復に結びつかず ・・・ 170 / 
盧溝橋事件 「北京占領」に徹底抗戦 ・・・ 174 / 上海事変 日中戦争全面化へ ・・・ 178 / 
張作霖爆殺と河本大作 ・・・ 182 / 齋藤隆夫と反軍演説 ・・・ 190 / 
中国共産党スパイ潘漢年 ・・・ 198 / 東亜同文書院生のジレンマ ・・・ 207 / 
台湾先住民族高砂義勇軍の従軍 ・・・ 218 / 
草原のスパイ戦 関東軍情報部・ある特務機関員の証言 ・・・ 225
参考文献 ・・・ 234
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 236

*1:なぜか日清戦争は記述されていない、どうしてか?西欧的発展を睨んでの位置付けがより重要でないからか?

*2:世界恐慌の末端での日本経済という意味あいか?

*3:これと並行して大東亜共栄圏の形成・展開、太平洋戦争突入へと進展する。

冷夏による不出来でキュウリが高い


ようやくに関東地方でも梅雨が明け、本格的な夏到来になったが、後10日ほどで早お盆になる。今年は短い夏で終わりそうだ。これでは夏の商品、アイスクリーム、カキ氷、生ビールなどは売れ行き不振は間違いない。プールや海水浴場もさっぱりかもね。
冷夏のせいで東日本の農作物の不出来がボチボチ話題になっている。すでにキュウリ、キャベツなどの高原野菜が高騰している。おそらく秋もの、米、芋なども不作になるのだろう。米などはひょっとして10何年ぶりかの不足になるかも知れない。そうなると食費の負担が増し、庶民の生活を圧迫することになる。困ったものだ。
二酸化炭素濃度の増大、オゾン層の破壊などが地球温暖化の要因と指摘されて久しい、これらの要因と気温の上昇の因果関係が示されたと専門家の研究結果が出ているそうな。実は私、ほんまかいなと思っている。というのもこれらの研究は、最近の100年間ほど、地球規模からするとほんの短時間のことしか考えていないからである。これではどうも説得力が無いように思えるのである。
地球は過去10万年周期で温暖期と寒冷期を繰り返している。その原因は地球が太陽の周りを公転している軌道にあるらしい。確定的な原因はともかく、10万年周期説は地質学、気象学の一般則だ。西暦2000年代の今は、氷期と暖期の間、間氷期にあり、これからだんだん寒くなる方向に進んでいる。だからあと20年から30年後より気温は下がり始めると考えられているのだ。だから二酸化炭素濃度云々という議論はどうもなぁーと思ってしまう。
このあたりの詳細は以前にこの読書録で取り上げた池田清彦・『環境問題のウソ』・ちくま新書に詳しい。この著者は相当に“癖”のある学者なので、かなりの敵がおり、嫌っている人も多い。だからかなり誤解されている面も多いのだが、私はこの人の論理構成、主張は正しいと評価している。構造主義生物学なる理論も展開する哲学者としても尊敬している人である。
冷夏のせいで、キュウリが高いと家人が嘆いている。今年はそういう年なのだから仕方が無い、人間には気候をどうすることも出来ないし、これを受け入れるしかないのだよと言って聞かせているが、どうも納得していない様子だ。まあ我が家の内での不平不満などは地球の歴史、宇宙の歴史に比べれば、微々たる出来事でしかないのだから、さしたることもあるまいと諦めている。

環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)

20世紀 欧州大戦


20世紀欧州大戦 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀 欧州大戦 はてな年間100冊読書クラブ−No.063
【編著者】   読売新聞20世紀取材班   
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO S17-2)
【発行年月日】 2001年7月25日
【版型 頁数】 文庫版 269頁
【版 刷】   初版1刷
【ISBN】    4122038626
【価格】    680円
【コメント】
読売新聞連載記事を基にした8巻本を再構成して12巻の文庫化した第2回配本。世界大戦前夜としての欧州の動きを追う。コンパクトな中にも重要項目を逃さない編集となっており、手っ取り早くこの時期の世界、特に欧州の情勢を知るにはとても良い本だ。元々が新聞記事という性格上、より多くの読者を想定した文体、用語で構成され、読みやすい日本語がテンポ良く解説するので、一気に読ませる感じがする。但し1項が短く読み切り型の構成なので、全体像を掴むには一貫性にやや難があるカも知れない。多数の著者の合作である事も統一感にややマイナスか?
この時期の欧州で最も重要なのがやはりナチスヒトラーの台頭だろう。帝国化、戦闘化を加速したこの政党はこの時期どんどん成長し、影響力を高めていった。イタリアのファッショ化、スペイン内乱もその傾向に拍車をかけたようだ。ナチス台頭の歴史についてはヒトラー・「我が闘争」・角川文庫に詳しい。
意外だったのは、欧州政治においてトルコの存在が重要な因子になったということだった。そういえばもっと古くから、ローマ時代よりトルコの影響力は大きかったはずなので、それも有りかと思える。
ざっと見渡すと、よくあるナチス独逸の動きとその周辺、列強の対応という図式の記述がややマンネリ過ぎて面白味に欠けるかもしれないね。
次の第3巻はいよいよ日本が主役となる「大日本帝国」、第4巻は「大東亜共栄圏」、第5巻は「太平洋戦争」だ。私の昭和史もこれからが佳境となるだろうと思っている。
【目次】
1 第一次世界大戦
ユーゴ分裂 ・・・ 10 / 近代戦 ・・・ 17 / 軍の変質 ・・・ 24 / ベルサイユ条約 ・・・ 39 / 
超インフレ ・・・ 37 / 帝国解体 ・・・ 44 / 列強の野望砕いたトルコの国交 ・・・ 51 / 
最後の偶像 … 60 / エベレスト挑戦 65
2 大戦前夜
米国大恐慌 ・・・ 76 / ニューディール ・・・ 83 / 保護主義 ・・・ 90 / 年金遠征軍 ・・・ 94 / 
ドイツ恐慌 ・・・ 98 / ケインズ理論家の決算 ・・・ 106 / オーストリア恐慌 ・・・ 114 / 
ファシスト党の新ローマ幻想 ・・・ 121 / スペイン戦争 ・・・ 125 / 
対立回避図る宥和政策 ・・・ 135 / ナチ五輪の幻影 ・・・ 142 / 
処刑台に消えたスパイ王カナーリス ・・・ 155
3 第二次世界大戦
ナチスホロコースト ・・・ 166 / 漏洩した独ソ密約 ・・・ 172 / 独仏の確執 ・・・ 188 / 
ナチス対英和平攻勢の挫折 ・・・ 195 / ヒトラーの世界観映す絶滅戦 ・・・ 202 / 
無視された対ソ侵攻警告 ・・・ 208 / 「命のピザ」とユダヤ難民 ・・・ 214 / 
市民殺傷狙う無差別爆撃 ・・・ 222 / 米国孤立主義真珠湾」で幕 ・・・ 230 /
ノルマンディー上陸作戦 ・・・ 236 / 巧みに利用された民族感情 ・・・ 240 /
略奪された文化財・流浪の旅路 ・・・ 248
参考文献 ・・・ 263
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 268

わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫) 

8月4日付け朝日新聞朝刊から


いやぁー今日は暑かった、いよいよ本格的な夏の到来である。だいぶ待たされたが・・・。庭のバラがようやく元気を取り戻し、葉が増え、背が伸び、新しい花が咲き出した。真紅やピンクの典型的な色の花だけでなく、白と黄色の花も瑞々しく綺麗だ。我が家の庭も少しだけ庭らしくなってきた。これからが楽しみだ。
日本製紙TOB阻止」 王子に対抗、北越株取得
ここへ来て、製紙業界が騒がしい。業界1位の王子製紙が5位の北越製紙を“力づく”のTOBで買収しようとしているのに対し、独立経営を目指す北越側も三菱商事への第3者割り当てで対抗するという合戦になっているが、ここで第3勢力・業界2位の日本製紙北越株を10%未満のレベルで取得する意向を発表した。王子の巨大化は業界の秩序を乱す恐れがあるというのが理由であるそうな。要するに王子の独走は許さないぞということだろう。これで三つ巴の展開になり、一層話がややこしくなってきた。
私は、基本的に法律の範囲内で株の売買をする、他社の経営権を得る、自社の経営を発展させるという策を打つのは当然の事と思っている。だから王子の行動は理解できるし、違法でない限り非難されるべきものでもないと考える。北越の言動もそれはそれで固有の会社の意思なのだからどんな経営を目指すのかは自由である。今回の日本製紙についても同様である。だから世間はそんなに騒ぐことは無いと思っている。自由市場での株の売買でこれからの方向性が決まるのだから、野次馬的に周りがやいのやいの言うべきではないと言いたい。マスコミも自紙を売らんがために世間を煽るような報道は控えるべきだ。そう思っている。
北朝鮮大水害 死者1万人説浮上 支援申し出は断る
北朝鮮で豪雨により記録的な大水害が起きているという。支社は1万人を超えるとの観測もあるそうだ。しかし韓国の支援組織からの援助を断ったそうだ。先のテポドン2騒ぎの制裁として韓国政府が米の支援50万トンを凍結した措置を不服とした行動らしい。
さてこの国は国民生活をどうしようとしているのか?そもそも食料不足を解決できないような状況で核兵器の開発をすすめようという無謀な政治をしていることが間違いであると思う。もっと食糧確保、農業生産増進のための政治を進めるべきなのだ。全ての基本は食料政策より始まるといって良い。だから今回の災害についても外国からの援助を受け入れ、国民の健康と生活を確保すべきだと思う。金総書記にはそう言いたい。

20世紀・革命


20世紀 革命 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀・革命   はてな年間100冊読書クラブーNo.062
【編著者】   読売新聞20世紀取材班    
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO20世紀S17-1)
【発行年月日】 2001年6月25日
【版型 頁数】 文庫版 285頁
【版 刷】   初版
【ISBN】    4122038499
【価格】    680円
【コメント】
1997年12月より翌年の3月にかけて、読売新聞に連載された記事をまとめた全8巻本の『20世紀 どんな時代だったのか』・読売新聞社を巻立てを改め、時代・テーマごとに全12巻に再構成したシリーズものの第1巻である。以後欧州大戦、大東亜共栄圏など昭和史に繋がる重要な歴史記述へと展開するシリーズだ。
元々が新聞の連載記事として編集されたものなので、できるだけ多くの人々に読ませるよう意図されている。読みやすい文体で、平易な言葉を用いてあるため分かりやすい、1章立てが短めで一気に読めるなど文庫本に適した内容となっている。小論の連載ということで、細切れ記述・トピックス的な取り上げ方になるので、世界史の全体像がぼやけるという短所もあるが、総じて言うと大変貴重な証言が多く、面白く読めるシリーズ本である。以後の巻も続けて読みたいと思っている。
20世紀の始まりは『革命』からということか?ロシア、中国での革命の歴史と評価についての論考が並び、何れも分かりやすい文体でかかれているので読者を飽きさせない。高校の世界史の副読本、歴史読み物ぐらいの位置付けだろうか、軽い気持ちで読み終えた。シリーズ構成を見ると、本巻は『昭和史前夜』としての位置付けのようで、本論への序章として静かに歴史記述が始まるという感じだろうか?今後の展開が楽しみである。
【目次】
〓 ロシア革命ソ連
社会主義神話の崩壊 ・・・ 10 / 最後の皇帝ニコライ ・・・ 18 / レーニン 隠された実像 ・・・ 27 / 
ユダヤ人救世思想の実践 ・・・ 35 / 粛清の恐怖 ・・・ 43 / ソ連軍人粛清 ・・・ 54 / 
大粛清、兄は消えた ・・・ 59 / 革命ロシアに消えた日本人 ・・・ 63 / 
顔を変えたスターリン ・・・ 79 / コミンテルン、希望と混乱 ・・・ 87 / 
孫が語るトロツキー、「運命の日」 ・・・ 96 / スターリン批判 ・・・ 108 / 
秘密警察の論理 ・・・ 116 / ブレジネフの日 ・・・ 124 / ゴルバチョフの誤算 ・・・ 134 /
 失われた時間 ・・・ 140 / 教皇の「ソ連」 ・・・ 148 / 郷愁の風圧 ・・・ 156
〓 中国革命
書き直される「正史」 ・・・ 166 / 辛亥革命 栄光と挫折 ・・・ 174 / 大陸に翔ぶ夢 ・・・ 182 / 
国共合作 ソ連に学んだ双子 ・・・ 192 / パリの革命家群像 ・・・ 200 / 
毛沢東の栄光と悲惨 ・・・ 219 / 整風運動 半世紀の冤罪 ・・・ 227 / 
文化大革命 死選んだ大作家 ・・・ 232 / 救亡、救国 3つの法宝 ・・・ 244 / 
〓小平の改革・開放 ・・・ 256 / 中ソ対立 屈辱の干渉 ・・・ 265 / 
少数民族の苦悩 ・・・ 279 / 中国革命 百年の決算 ・・・ 275
参考文献 ・・・ 280
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 284